はぐくみ基金(はぐくみ企業年金)は、企業が従業員のために用意する“退職金・年金制度”の一種です。
従業員の将来に向けた資産形成を後押しし、安心して働ける環境づくりを支えることを目的に設立されています。
国はあの手この手で税金をとろうとしてくる為、今後法律の変更がある場合もあります。
この解説は2026年2月の法律に基づいた解説になります。
※退職金控除も5年ルールから10年ルールに2026年に改悪されました。
どういう「組織」なのか?
法律(確定給付企業年金法)に基づき、厚生労働大臣の認可を受けて設立された 企業年金基金です(認可番号:関基第016408号)
2018年4月設立で、加入事業所の従業員の福祉向上を目的にしており 制度としては 確定給付企業年金(DB)。
基金が規約に沿って給付を行う建て付けです。
はぐくみ基金の成り立ちとしては、保育・介護・医療など、いわゆるエッセンシャルワーカーの福利厚生・資産形成を後押しする目的で作られた、という位置づけです。
背景としては、保育・福祉の現場で「退職金・資産形成が弱い/人材不足」などの課題感があり、そこから制度構想が進んだ、というストーリーが語られています。
どういう仕組みか(かみ砕いて説明)
はぐくみ基金(※企業型DCの一種)に拠出したお金は、
- 所得税
- 住民税
- 社会保険料(健康保険・厚生年金など)
の計算対象から外れます(=全額「所得控除」)。
その結果、
「本来払うはずだった税金・保険料が減る」
まず超シンプルな説明
同じ「毎月1万円(2万円)」を貯めるとして、
- 未加入(普通に貯金)
→ 1万円は 税金や社保を払った後のお金 から出す - 加入(はぐくみ基金に拠出)
→ 1万円は 税金や社保を払う前の扱い になりやすい
→ だから、同じ1万円でも税金・社保が少し減って、
→ 毎月の手元(口座に残る現金)が少し多く残る
税金を払った後の残ったお金で、資産形成するのか、
税金を払う前のお金で、資産形成して残ったお金に税金が掛かるのか、
投資等の資産形成のお金の話をする時に避けて通れないのが、税引前・税引後です。
これらのシチュエーションではこの差が非常に大きな意味を持ちます。
額面が23万円だった場合でのシミュレーション
1万円コース(毎月1万円を貯める/拠出する)
| やり方 | 口座に入る手取り | そこから1万円を回す先 | 1万円を回した後の“手元の現金” |
|---|---|---|---|
| 未加入(普通に貯金) | 185,046円 | 貯金へ1万円 | 175,046円 |
| 加入(基金に1万円) | 177,352円 | 基金へ1万円 | 177,352円 |
✅ここがポイント
- 未加入:貯金後の現金 175,046円
- 加入:拠出後の現金 177,352円
→ 加入の方が毎月 2,306円 だけ現金が多く残る
これが 「節税で浮いた現金」=2,306円/月 です。
2万円コース(毎月2万円を貯める/拠出する)
| やり方 | 口座に入る手取り | そこから2万円を回す先 | 2万円を回した後の“手元の現金” |
|---|---|---|---|
| 未加入(普通に貯金) | 185,046円 | 貯金へ2万円 | 165,046円 |
| 加入(基金に2万円) | 169,645円 | 基金へ2万円 | 169,645円 |
→ 加入の方が毎月 4,599円 だけ現金が多く残る
これが 「節税で浮いた現金」=4,599円/月 です。
年単位での節税で浮いた現金
| 期間 | 1万円コース(2,306円×月数) | 2万円コース(4,599円×月数) |
|---|---|---|
| 1年(12ヶ月) | 27,672円 | 55,188円 |
| 3年(36ヶ月) | 83,016円 | 165,564円 |
| 5年(60ヶ月) | 138,360円 | 275,940円 |
| 10年(120ヶ月) | 276,720円 | 551,880円 |
受け取り(給付)の仕組みは?
はぐくみ基金では、加入期間や退職時の状況に応じて、年金または一時金で給付を受けられます。
- 加入期間20年以上:基金から年金を受ける権利を取得(希望により一時金で受け取る選択も可能)
- 加入期間1か月以上20年未満で退職:退職時に脱退一時金が支払われる
- そのほか、状況により遺族給付金などの給付も記載されています
また、一時金は「掛金累計額と利息の合計」として示されています。
40万円×勤続年数(800万円上限)が退職金控除になります。
はぐくみ基金では最大で給料の20%まで拠出する事が可能ですが、
先ず掛金MAXで拠出する方は少ないと思うので
基本的にはほとんどの方が掛金をまるまる非課税で受け取る事ができます。
1) 退職・転職したら何ができる?(3つの選択肢)
資格喪失(退職など)になると、オンライン手続きで選べる請求は次の3つです。
- 脱退一時金を受け取る
- 繰下げ(受け取りを保留)(主に休職・育休など“戻る可能性がある”ケースで使う)
- 移換(他制度へ持ち運ぶ)(転職先の企業年金などへ)
移換には期限があり、資格喪失日から1年と案内されています。
(移換先が 企業年金連合会 以外のときは、別途「移換申出書」の郵送が必要なケースがある、と説明されています。)
手続きの流れ(加入者側の体感)
- まず会社が資格喪失届を提出
- その後、基金から「給付請求手続きのご案内」が郵送
- QR等からログインして請求(原則オンライン)
入金時期の目安は、必要書類が揃って基金に到着してから約1.5か月程度とされています。
2) 休職・育休・介護休業のとき(“必ず受け取る”必要はない)
休業・休職(育休・介護など)の場合でも、脱退一時金を必ず受け取る必要はなく、
- 受け取る
- 受け取らずに繰下げして、復職後に積立を再開する
を選べます。
重要:産休(産前産後休業)と育休は扱いが違う
- 産前産後休業(産休)は資格喪失に該当しないため、脱退一時金の受け取り対象ではない、と明記されています。
- 育児休業は(事業所が資格喪失届を出す運用で)受け取り or 繰下げを選ぶ流れが案内されています。
育休中に掛金額を変えられる?
原則、休業・休職期間中は資格喪失扱いで一時的に加入者ではないため、育休中の掛金変更は不可。ただし復職後の再加入時に変更は可能とされています。
3) パート化などで厚生年金が外れたら(資格がなくなる)
「厚生年金非適用」になると、はぐくみ企業年金の加入資格がなくなるため、資格喪失届・給付請求などの手続きが必要、と案内されています。
また、脱退一時金を受け取れる場面として「厚生年金非適用となったとき」も挙げられています。
税金はどうなる?(受け取る理由で変わる)
基金のFAQでは、受け取る理由で税区分が変わると整理されています。
- 退職により一時金を受け取る:税法上「退職所得」。
- 休業・休職/厚生年金非適用で一時金を受け取る:税法上「一時所得」。
また、加入者が亡くなった場合の遺族給付金は「みなし相続財産」扱いで、非課税枠は500万円×法定相続人の数と案内されています。
「旦那さまの配偶者控除」に絡めると、どれくらいお得?
ここがポイントです:
はぐくみ拠出で“配偶者(あなた)の所得”を下げられるなら、配偶者控除(または配偶者特別控除)に入りやすくなり、旦那さま側の税金も減る可能性があります。
配偶者控除の条件(所得税)
国税庁の説明では、配偶者控除の要件の一つとして、配偶者の合計所得金額が58万円以下(給与のみなら給与収入123万円以下)が示されています。
(※旦那さま本人の合計所得が1,000万円超だと配偶者控除不可、など他条件もあります。)
控除額(所得税)
旦那さまの合計所得が900万円以下なら、配偶者控除は38万円(一般の配偶者の場合)。
住民税側(参考)
住民税では、一般の配偶者控除が33万円という整理が自治体資料で示されています(条件も「所得58万円以下/給与123万円以下」)。
どのくらい「税金が減る」?(旦那さま分のざっくり目安)
配偶者控除で減るのは「税額」ではなく「所得」なので、効果は旦那さまの税率次第です。目安として:
- 所得税の軽減:38万円 ×(旦那さまの限界税率 5%〜23%など)
- 住民税の軽減:33万円 × 10%(住民税はだいたい一律10%)
例(復興特別所得税は細かいのでここでは概算)
- 旦那さまが所得税10%帯なら:
所得税 38万円×10%=3.8万円 + 住民税 33万円×10%=3.3万円 → 合計 約7.1万円/年 - 旦那さまが所得税20%帯なら:合計 約10.9万円/年
具体例:「配偶者控除に入るために、はぐくみで調整」した場合
たとえば、あなたの給与収入が 年130万円 だと、(そのままだと)給与収入123万円以下の条件から外れがちです。
ここで、はぐくみ基金を**“選択制(給与の一部を掛金へ振替)”**として使えて、課税・社保の算定対象から外れる設計なら、
年7万円分を掛金へ回す → 給与収入(課税・社保の対象)を123万円以下へ
という考え方が可能になります。
このとき家計全体では、
- あなた:拠出した7万円分について、税・社保が軽くなる(軽減率は人により幅)
- 旦那さま:配偶者控除が使えるようになれば、上の目安で年7万〜11万円くらい税が軽くなる可能性
…という「ダブル効果」が狙えます。
重要:配偶者控除と「社会保険の扶養」は別物
よく混ざるので一言だけ。
- 配偶者控除:税金(所得税・住民税)の話
- 社会保険の扶養:健康保険・年金の加入条件の話(106万・130万の壁など)
税で配偶者控除に入っても、社会保険は別条件で加入が必要なことがあります。
2026年以後の数字は変わる可能性あり(最新)
2026年度税制改正の大綱では、
- 基礎控除や給与所得控除の最低額の引上げ
- それに伴い、扶養親族・同一生計配偶者の所得要件を58万円→62万円へ
といった方向性が書かれています(適用時期も本文に記載)。
これがその通り成立・施行すれば、「配偶者控除に入れる年収ライン」もさらに動く可能性があります。
はぐくみ企業年金の「完本保証(元本保証)」とは?
・完本保証って、結局なに?
「完本保証(=元本保証)」は、ざっくり言うと “積み立てた元手が減らない(減りにくい)設計” のことを指して使われる言葉です。
ただし、制度によって「どこまで」「誰が」保証するのかが違うので、はぐくみ企業年金の場合は 2つの層(ダブルの安心) で理解するとスッキリします。
資産運用の中心は「一般勘定」=元本+一定利率の保証
はぐくみ企業年金は、リスクを抑える取り組みとして、一定の利回りが保証されている 「一般勘定」 をメインに運用していると説明されています。
そして一般勘定は、元本と一定の利率(保証利率)が保証され、運用リスクは生命保険会社が負う、という位置づけです。
万が一運用がマイナスでも、受取額が減らない仕組み(不足が出たら事業主が補てん)
もう1つのポイントは、「加入者が受け取る金額が減らない」こと。
公式FAQでは、運用がマイナスになって積立不足が生じ、財政再計算でも不足が残っていた場合は、事業主が補てんすると明記されています。
つまり加入者側から見ると、「運用が悪い年があっても受取額が減る心配がない」設計です。
はぐくみ企業年金の“完本保証的な安心”は 一般勘定中心(元本+保証利率) が土台。
さらに 運用悪化で不足が出ても事業主が補てん する仕組みが明示されている。
従業員が利用できる節税対策は?
従業員の方が手取りを増やすための方法(節税対策)は、
大きく分けて**「会社として導入する制度」と「従業員が個人で行う対策」**の2つがあります。
1. 会社が導入できる節税・福利厚生
1. 確定給付企業年金(DB)
まさに現在導入を検討・実施されている「はぐくみ基金」などがこれに該当します。
- 仕組み: 給与の一部を「掛金」として積み立てる制度です。
- メリット: 掛金分が「給与」ではなく「退職金の積み立て」扱いになるため、所得税・住民税がかからず、さらに社会保険料の算定基礎からも除外されます。
- 特徴: 将来受け取る額が確定しているため、スタッフにとっての安心感が強い制度です。
元本保証がされ(万が一元本割れの場合は企業が負担)運用手数料も企業が負担します。
2. 企業型確定拠出年金(企業型DC / 401k)
DBと似ていますが、運用方法が異なります。
- 仕組み: 会社が掛金を出し、従業員が自分で運用先(投資信託など)を選びます。
- メリット: DB同様、掛金は非課税で社会保険料も安くなります。
- 特徴: 運用の結果次第で将来の受取額が増減します。投資に興味があるスタッフが多い場合に喜ばれます。
3. 借り上げ社宅制度(家賃補助の代替)
単なる「住宅手当(現金支給)」は所得税の対象になりますが、この制度は異なります。
- 仕組み: 会社名義で賃貸物件を契約し、スタッフに住まわせる形式です。家賃の一定額を給与から天引き(または給与を下げてその分を家賃に充当)します。
- メリット: 従業員にとっては、家賃支払額を差し引いた「低い額面」に対して税金・社会保険料がかかるため、手取り額が数万円単位で増えることも珍しくありません。
4. 非課税限度額内での通勤手当
- 仕組み: 公共交通機関や車での通勤にかかる費用を支給します。
- メリット: 月15万円までは「非課税」です。基本給の一部を通勤手当に振り分けることで(合理的な範囲内で)、従業員の税負担を軽減できます。
5. 研修費・図書費の会社負担(福利厚生費)
美容業界など、自己研鑽が必要な職種に特に有効です。
- 仕組み: セミナー参加費や技術習得のための書籍代を、会社が直接支払うか、経費として精算します。
- メリット: 従業員が「自分の手取り(課税後のお金)」から支払う必要がなくなり、実質的な負担をゼロにできます。
当社では社宅制度こそ導入していませんが、国の基準に則った距離での通勤手当・企業型DB・必要に応じた研修費など
福利厚生に勤めて運営しております
2. 従業員が個人でできる節税対策(確定申告・年末調整)
iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 掛金が全額所得控除になります。はぐくみ基金と併用も可能ですが、上限額に注意が必要です。
※運用手数料や運用リスク(元本割れリスク)がともない60歳まで引き出す事が出来ません。
ふるさと納税
- 節税というよりは「支出の代替」ですが、実質2,000円で返礼品がもらえるため、生活費の節約として最も人気があります。
外部の会社(ベター・プレイス)とどういう関係なのか?
はぐくみ基金に加入する際に“ベター・プレイス”という企業名を聞く事になりますが、
なんかいきなり“ベター・プレイス”と聞いて怪しい。。。
そんな空気が漂ってきたのではぐくみ基金とベター・プレイスの関係を記述します。
株式会社ベター・プレイス は、制度導入や利用に必要な助言・支援を基金から委託されている会社であり、
基金とは別法人だと明確に説明されています。
運用元(運用を受託している“金融機関”)
運用幹事会社
- 第一生命(運用幹事会社)
運用に関わる主な金融機関(運用管理機関として表示されている先)
生命保険会社(一般勘定の受け皿)
- 第一生命
- フコク生命
- 日本生命
- 太陽生命
信託銀行(国内私募リート側の枠で表示)
- 三井住友信託銀行
- みずほ信託銀行
- 三菱UFJ信託銀行
まとめ
将来の事より今の金、とにかく納税したい(少しでも多く税金を払いたい)、
または宵越しのゼニは持たないというポリシーをお持ちの方には
この記事は無関係だったと思いますし、もうあなたの思う様にお好きにどうぞと思いますが。
掛ける時も節税(社会保険料の削減)+受け取る時も節税(退職金控除)のお得な制度を利用して資産成形出来る
“はぐくみ企業年金”の解説をしました。
はぐくみ基金でのデメリットとされる年金が給付される年齢になった時に給付額が減るというデメリットがありますが、
等級を1〜2下げた場合の年金給付額の差は、年間で約1300円〜2600円減る試算です。
年金は掛け捨てであり、厚生年金(会社負担分)を含めた場合、元を取るまでは約90歳近くと言われています。
※年金定期便にはあなたの給料から引かれた分の表記のみで、あなたに掛けた会社負担分は含まれて無いのです!
そして、年金を受給する際にもちゃんと国は税金(所得税・住民税・健康保険・介護保険)をとっていきます!
本人負担(給料天引き)の概算比も20年前は約12.8%、現在は15.5%と増加、
年金受給年齢も、昔は55歳からでしたが、60歳となり、今は65歳、
あなたが年金を受けとるまで幾ら社会保険料が増額されるのでしょう?
あなたが年金を受け取れる頃は何歳になるのでしょう?
国は年金を当てにするのではなく個人で資産形成させる方向性に舵を切り始めています。
※iDeCoなどの制度を元に、老後2,000万円問題等の話題について
年金受け取り時期は60歳〜75歳まで選ぶ事が出来ますが、年金の受給金額に差が出るので、
自分がいつまで生きるのかの人生最後の大きな賭けに出るよりかは、
確実に自分の資産を形成できる、はぐくみ基金で毎月積立、余力でiDeCoまたはNISA始める事が個人的にはおすすめ!
※個人で加入する生命保険会社等の年金保険は手数料が高いのでおすすめしません
また、当社は月給+歩合制の給与形態なので、スタイリストによっては月30万円台〜40万円台の給料(トップスタイリストになれば、5、60万円以上)になるので、
月によっては総支給で数万〜約十万円ほど変動する事もあります。
将来のための資産形成を一旦横に置いたとしても、毎月の社会保険料で大幅に損しない為に
福利厚生のはぐくみ企業年金(企業型BD)を利用して、社会保険料の節税する事を強くお勧めします。